ペイシェントジャーニーに添った疾患啓発(DTC)におけるデジタルマーケティング活用方法のコラム内で、「疾患啓発(DTC)におけるデジタルマーケティングの障壁」に関して以下のような図を掲載いたしました。
疾患啓発(DTC)におけるデジタルマーケティングの障壁
疾患啓発においてデジタルマーケティングを活用する際には、各ステップにおいてインターネット上のユーザーが離脱する「漏れ」をいかに防ぎ、受診につなげることが重要であるという解説です。本コラムでは、この最後の「受診につなげる病院検索」について、病院検索サービス選定のポイントを解説していきます。
目次
離脱を減らす病院検索サービスの3つのポイント
疾患啓発においてデジタルマーケティングを活用する際には、疾患啓発Webサイトからその対象となる疾患の相談ができる病院検索サービスを合わせて活用することが多いです。その際、疾患啓発Webサイトから病院検索サービスWebサイトに遷移することで、一定数のユーザーが離脱(対象のWebページを離れること)が起きます。この離脱を最小にするために病院検索サービス選定においては、以下の3つのポイントが重要となります。
病院検索サービス3つのポイント
一つ目は、モバイル最適化です。高齢者を含めて多くのインターネット利用者がモバイルからアクセスするため、モバイル入力対応、文字の大きさ、医療施設の地図表示、医療施設のHPへのリンク、電話番号にタップして直接電話できるか等、モバイル最適化しているサービスであるか大切です。
二点目には、検索がしやすいかというポイントです。GPS検索(現在地検索)が可能か、地名のサジェスト機能があるか、検索ボックスは入力しやすいか等、Googleのような検索体験に近いかどうかが求められます。また、特定の疾患の相談ができる病院に情報が絞り込まれ、病院検索の最適化がされていることも大事なポイントです。
最後に、病院検索サービスのスピードです。以下の図でも分かる通り、インターネットユーザーはページの表示が遅いと離脱につながります。病院検索のシステムが、検索スピードを上げる開発に工夫しているかどうか、実際の検索体験が良いかどうかを確認することが重要です。
ユーザーがページを離脱する時の理由
健保組合との実証実験:慢性腎臓病についての病院検索の運用結果
ある健保組合において利用されていた病院検索サービスを弊社が開発した「いしゃまち病院検索」サービスにリプレースしたことによって分かった改善効果が以下の表です。
「ページ/セッション」の指標は、セッションあたりの閲覧数を表し、多いほうがユーザーが興味をもってページを回遊しており満足度が高いといえます
「滞在時間」の指標は、時間が長いほうがユーザーがページに興味をもって閲覧しているといえます。
上記においても解説した「離脱率」は、ページから離脱した割合を表し、数字が低いほうが、ユーザーがウェブサイトを活用しているといえます。
結果的には、いずれの指標においても改善効果が見込まれ、病院検索サービスの品質差によって、病院受診に繋げる漏れが改善することが分かりました。
まとめ
本コラムでは、疾患啓発(DTC)のデジタルマーケティング活用方法において、病院検索サービスの選定のポイントを紹介いたしました。インターネットユーザーにとって、利用体験の良いサービスは、実店舗における良い接客に似ています。体験が良ければ、そのサービスは利用される一方、モバイル最適化されていない、検索しづらい、スピードが遅い等のストレスを感じるとユーザーは離脱します。
インターネットユーザーの立場に立って、ストレス無く情報収集が出来て、行動変容につなげていくサービスの組み合わせが大事なポイントになります。
メディウィルでは、疾患の特性、ターゲット患者層に応じた病院検索サービスを開発し、患者さんを適切な医療施設につなげるお手伝いをしています。
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